実は・・・!!
肩や背中の痛みとは別に、実は前々から気になることがあるとのこと。
それは、「右肩が下がっているとよく人から言われます。なんとかなりませんか?」ということでした。

先ず検査!
肩を横から見ると両肩が耳の位置より前方にあり、両肩とも「なで肩」です。
更に観察すると、左肩の中央部が盛り上がっています。
このため特に右肩が余計に落ちているように見えるのではないかと思います。

さて、施術前の検査では、左右小胸筋や肩の前面に圧痛があり烏口肩峰靭帯、関節上腕靭帯、烏口上腕靭帯などが硬くなっていました。
また、MMT(マッスルマニュアルテスト)では、左僧帽筋上部繊維およびその直下に隣接する左棘上筋、左右の前斜角筋、左右の三角筋後部繊維、右の後斜角筋が陽性となりました。
肩甲骨を寄せる大小菱形筋は、反射は見られ陽性ではありませんが筋力が弱く持久力がありません。

右肩下がりの原因は?
したがって、右肩下がりは「両肩の巻き肩」と「左棘上筋の機能低下」が原因と考えました。
これらの筋肉の神経支配は下部頸椎から上部胸椎であるため、頸椎、胸椎の関節の動きや圧痛箇所、フィクセーションの有無等を確認し、カイロプラクティックの手技と操体法を組み合わせ施術をこころみました。
首の施術は約20程度、胸椎は操体法で5分程度です。

どんな施術?
この施術は特別な器具は使いません。
患者様は仰向けになり、関節の動きを確認後、ご自身の首の筋肉と目の筋肉に軽い負荷をかけ、タイミングよく呼吸に合わせて脱力していただきます。
首の関節の硬縮を施術する場合、負荷をかける方向は解剖学的に、側屈しながら回旋を行うなど、動かす方向が関節ひとつひとつ異なる為、やや高度な専門知識が必要です。

誰でも簡単!気持ち良い!!
しかし、施術を受ける方は、術者が上手に誘導するためだれでも簡単に施術を受けることが出来ます。
ただ術者の誘導する動きに抗い、支持された呼吸でタイミングよく脱力するだけなのです。
頸椎や胸椎の関節をひとつづつ丁寧に上記の方法で施術するので、多くの時間が必要なので、通常何回かに分けて施術していきます。
施術中は、1回1回関節の硬縮が緩むたびに首が軽くなり動きがスムースになります。
それは、例えば筋肉などが硬くなっていたところが弛緩され血流を感じるようになり局所の体温が上がり、とても気持ちの良い施術です。

施術の結果
写真は、1枚目が施術前、2枚目が施術後、3枚目は更に「巻き肩」の施術で肩甲骨が背中の内側に寄せられるようになり「肩の下がり」が気にならなくなり、笑顔になられました!!


「巻き肩」の特徴
「巻き肩」はいつも背もたれに持たれかかって首を前に突き出してデスクワークする方や、スマホ等を背を丸くして長時間使っている方などによく見かけられます。特徴は、肩の位置が耳の前にあり、腕の内旋運動は力強いが外旋運動が苦手(両腕を脇につけ手のひらが左右180度の直線状に開かない等)で、肩甲骨を充分引き寄せられないなどの特徴があります。
この方の場合は、肩が下がって前方に引っ張られ「なで肩」が強調されているようです。

肩こりの慢性化?
棘上筋は、肩の外転運動の初期に使われる筋肉ですが、日常のちょっとした動作で痛めたり、40肩や50肩の方もよく痛めていることがあります。
「巻き肩」で常に肩が前方に引っ張られるので棘上筋に隣接している僧帽筋も常に前に引っ張られてしまい、凝りの長期化を助長しているのではないかと思われます。

肩甲骨の動きに影響
デスクワークやスマホを使うとき長時間首を前方に出した姿勢を維持したりすると、長期的には首を引く動きを行わなくなり前斜角筋の筋力が低下します。
代償的に小胸筋や烏口上腕靭帯や、烏口肩峰靭帯、関節上腕靭帯、などが硬くなる「巻き肩」が発生し、方が前に引っ張られるため肩甲骨の動きが悪くなり「肩こりの大きな原因」になっており、左の棘上筋の機能低下があるため隣接する僧帽筋上部繊維の拘縮がなかなか取れない状況を作り出していたのではないかと考えました。
また、MMTでは、および左右の三角筋後部繊維に機能低下が見られました。

「巻き肩」の施術について
上記のことを踏まえて、これらの筋肉、靭帯、腱等に「アクチベータ」という特別な器具を使って施術します。
短時間に効率よく緩めることが出来るのが特徴ですが、若干の「痛み」が生じることがあります。
それは、組織が弛緩した際に溜っていた「発痛物質」が解放され神経を刺激するためで、すぐに痛みは消失します。
「巻き肩」の施術だけなら、検査を含めて10分程度で終了します。

施術後どうなっているか?

その後、経過はどうなっているのか気になります。また、元に戻らなければよいのですが9日後に確認しましたが、肩の位置、各筋肉の機能、なにより外見上全く変わりはなくしっかり維持していました。今後、僧帽筋や大小菱形筋他、背側の筋力を意識してトレーニングしていただくと良好な姿勢を維持しやすいものと思われます。

以上

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