「いつからですか?」と尋ねると、なんとひとりは「4~5年前から。」、もう一人は「もう10年以上経つわー。」とのこと。
「ん。最近?」
どちらも60歳台の男性と女性です。
MMT(筋肉の神経学的検査)を行ってみると男性は、両側の大腿直筋が、女性は左の内側広筋が陽性でした。
昔の話ですが、私がフィットネスインストラクターしていたころは、このような場合、「先ず、太もも前面のストレッチや筋トレ(スクワット)をしていきましょう!」ということを言っていました。
今でも、ジムやスポーツクラブで同じような事を言われたという方に遭遇するので「うゎ!それはなんとかしなければ!!」という気持ちになることがあります。
★★★そのやり方は、絶対効果的ではありません。★★★
それは、カイロプラクティックの勉強を進めていく中で、今までとは全く異なるアプローチや解釈があり、無理なく改善に導くことができることを知ったからです。
フィットネスインストラクター時代は、弱っている筋肉は努力して鍛えていく必要があると思っていました。
弱化した筋肉はいきなり鍛えると反って痛めたり、成果が出せなかったりするのです。
では、どのような考えかたと手順が必要かを述べたいと思います。
弱った筋肉をMMTなどで見つけると、筋膜のラインなどを利用してその筋肉に「抑制信号」を送っている場所がないかを調べます。
このことをTL(セラピーローカライゼーション)といいます。
細胞や組織が局所の血流不足が生じ緊急事態(酸素欠乏など)になると、プラスの電位を発することになり、その電位が周囲の筋膜等に伝わり、伝わった筋肉の機能を抑制してしまいます。
例えば、首のサブラクセーションを起こした場所からプラスの電位がスパイラルライン(アナトミートレイン)を経由し、反対側の大腿筋膜張筋の弱化の原因となることがあります。
どの場所がどの筋肉を弱化させているかを知るために、慎重にTLを繰り返す必要があります。
筋の弱化の原因ヵ所が分かれば、次にその細胞や組織を正常化するために「アジャスト」(施術)を行います。
また、アジャストするためには、アジャストの方向性を確認する検査(チャレンジ)を行います。
つまり、施術する前に検査を3種類以上行い、施術して効果判定の検査を行う施術スタイルを取っています。
当院では、M-test(福大の向野先生が考案した経絡テスト)、カイロプラクティックのMMT、TL、チャレンジ、施術(アジャスト)、また、施術で操体法を使う場合も有ります。
そして、最後に効果判定テストの手順を踏んで、「なぜこのような事をしているのか?」をお客様にひとつひとつ説明しながら行うようにしています。
このことにより、お客様がより安心感を持っていただけ、問題点が浮き彫りとなる為、お客様が自分の身体に正しい理解を持ち、そのため治療に取り組みやすくなっていると思います。
また、私自身まだまだ治療に慣れていないところがあるため、自分の見落としや見当違いを防ぐ良い方法にもなっています。
また、手間がかかる分だけ施術の精度は高く、更にフィットネストレーニングの際に弱化していた筋肉が一覧表になっているため個別プログラムが組みやすくなっています。
★それで、最初に紹介した正座が出来なかったお客様は?
まだ、施術2回目ですが二人ともまだ十分とは言えないまでもなんとか正座が出来るようになりました!!
大腿四頭筋に抑制信号を発信していた場所は、腓骨と脛骨の膝下1/3から下の「骨間膜」のねじれではないかと思っています。
その根拠は、腓骨の位置が下方に下がり、脛骨が前方へ移動しフィクセーションを起こしていました。
施術はアクチベータで関節の動きやサブラクセーションを正常化し、過敏になっている骨間膜に対しハイボルテージ(電気治療)を行うと、膝の屈曲ROMが改善しました。
ひとりひとり、抑制信号を発信している場所は異なり、伝わり方も一様でないことを肝に銘じ施術を行っています。
neフィットネス整体院 https://nefit-seitai.com/